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「最新脳科学でわかった五感の驚異」から学ぶ、ワークショップのデザインとは。

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マインドマップを描くことが日常になった頃から、脳科学に興味と関心が高まっている自分に気がつきました。

マインドマップをかいていると、自分の思考の癖とかがよくわかるんです。また、描いたマインドマップを見ると、たとえ文字だけのミニマインドマップだったとしても1枚1枚が作品や絵のように見えるので、見返すのが楽しくなります。文字を読むというよりも、すーっと目に入ってくる感じが絵を見ている感覚に近いんです。

そんな私が今ではワークショップのデザインをしたり、ファシリテーションをしています。すると今度は逆に、ワークショップ参加者の頭の中で起こっていることを想像することが日常になりました。

ワークショップと脳科学

ワークショップの質を高めたいと常に考えている私にとって、今回ご紹介する「最新脳科学でわかった五感の驚異」は、まさに知りたかったことが満載の本でした。

 

本書を読んで強く思ったのが、私たちは、普段の仕事で自分の「脳力」をほとんど使っていないよな〜ということです。別の言い方をすれば、私たちは自分の「脳」の使い方をほとんど知らないのです。

本書では最新の脳科学でわかった「驚くべき五感の仕組み」について、豊富な事例を交えて紹介されており、一つ一つの事例が好奇心を満たしてくれます。 

例えば、ワインを飲んだ後に、言葉でそのワインを詳しく描写してから同じワインを見分けるテストをすると、全くわからなくなるそうです。これは「言語隠蔽」という現象で、知覚、嗅覚、味覚で起きるそうです。

また、「不気味の谷」はなぜ、人の顔について起こるかという話。人間は人が何かをしているのを見ると、脳内ではそれを模倣するんだそうです。そして脳がその動作を模倣するには、人間らしく見える度合いが重要なんだとか。人の形をしていても明らかにロボットだと、脳は反応しないらしく、「不気味の谷」の現象は脳内での反射的な模倣が関係しているかもしれないんだそうです。

多感覚知覚とは? 

この本の章立ては、感覚器官の各機能である聴覚、嗅覚、味覚、触覚、視覚に基づいて構成されています。しかしながら、最新の脳科学で明らかになったのは、知覚とは前述のように簡単に分けられるものではないということなのです。

どういうことかと言うと、私たちは耳で形が、触って話し言葉がわかるのです。味に匂いを、匂いに不安を感じることができるのです。つまり、ひとつの感覚が持つ能力というものが、他の感覚でも機能しているということなんです。

そして、人間は五感を総動員して相手の生殖能力や性的魅力を知覚しているのだそうです。女性が発情期になると無意識のうちに行動が変化し、男性も無意識のうちにそれを感じ取っているのだとか。

このような多感覚の影響が知覚のいたるところに見られることから、研究者たちは驚くべき仮説を持ちつつあるそうです。

それは、感覚への関連情報は、目で感知しようが耳で感知しようが同じなのかもしれないというのです。例えば、信号音を発するボールでキャッチボールする場面を考えてみると、ボールが近づいてくる時に目に映るその像の大きさが変化する速度と、ボールの信号音の大きさが変化する速度は同じになり、関連する情報は光も音も変わらないということなんです。

まさに五感の驚異ですよね。

ワークショップにどう活かすか

さて、本書を読んで得られた知見をワークショップのデザインにどう取り込むかということですが、正直なところ答えは出ていません。

ただ、ワークショップ参加者の潜在意識が行っていることや、ファシリテーターの行動が無意識に場に与えている影響を、これまで以上によく考えた方がよいことがわかりました。

効果の測定は難しいと思いますが、ワークショップをデザインする際には、本書の事例を思い出して何かできることはないか考えてみたいと思います。

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