■本日のオススメ本
「START INNOVATION ! with this visual toolkit.」
ハイス・ファン・ウルフェン (著), 小山龍介 (監修), 山口博志 (監修), 上原哲郎 (監修)
■内容
現場からビジネスモデルをシフトするためのイノベーション入門。どうやってイノベーションを起こすのか!?偉大な探検家たちの成功体験になぞらえた、著者独自のイノベーションメソッドで、プロジェクト設計、チームのつくり方、ファシリテートや意思決定のポイントなど、現実的な実践プロセスを徹底レクチャー!ビジネスモデルイノベーション協会推薦図書。
ーAmazonより抜粋
■こんな人にオススメ
- 企業のイノベーション担当
- 経営者、マネージャー、リーダー
- ファシリテーター
■印象に残った言葉
組織の中では、イノベーションはひとりでは起こせない。大きな変化を起こしたければ、行動を起こす前に、同僚や上司など数多くの人間とビジョンを共有しておかなくてはならない。どんな新しい道があって、何が開発できるか、どれが製品化できそうかは、彼ら自身に発見してもらわなくては意味がないのだ。
ブレーンストーミングは絶対にオフィスで行ってはならない。絶対にだ。
水を発見する可能性がいちばん低い生きもの。それは魚だろう
ー発言者不明
■感想
組織の中でイノベーションを起こすにはどうすればよいのだろうか?
そんな風に悩んでいる経営者やビジネスマンは必見の本です。
著者のハイス氏はもともと大企業で働いた経験もあるコンサルタントです。本書にはそんな彼が様々な企業でイノベーションを成功に導く経験の中で生み出し、改良してきたメソッドやノウハウがぎっしりと詰まっているのです。
イノベーションプロセスの初期段階、開発段階に入るまでの一般的には曖昧なプロセスについて、どこからどう手をつけていけばよいのかを具体的(期間や人数など)にかつ構造的に紹介しています。
私自身の大きな学びとしては、プロセスの初期段階から上層部(CEOあるいは事業部長など組織のトップ)をイノベーションの冒険に巻き込むことが一番のキーポイントだと思いました。そこでまずは方向性を明確にすることがその後のプロセスにとても重要であること。
そして、特にアイデアを生み出すプロセスについては、上層部もメンバーに加えながらチーム全員で行うことが、その後の上層部の行動に大きな影響を与えるということです。誰かのアイデアではなく、みんなのアイデアにすることが組織でイノベーションを起こすためには重要なのです。みんなで時間をかけて生み出したアイデアやコンセプトを、(上層部も含めた)チームメンバー全員が「どうすれば育てられるか」という意識状態に持っていくことが、アイデア自体の中身よりも重要なんだと思いました。なぜなら革新的なアイデアほど誰でも批判しやすく、潰してしまうことは簡単だからです。
そのほか本書には、「66項目のイノベーション・チェックリスト」や、「探検に乗り出すべきではない21のシチュエーション」、「イノベーションの10の教訓」、「イノベーションがうまくいかない40の理由」、「イノベーション・セッションのファシリテーターへ贈る30のアドバイス」などなど役に立つツールが満載。
巻末にはアイスブレイクやブレインストーミングの方法も紹介されており、イノベーションの教科書としてもお得な一冊となっています。